第1回 アイスランドと日本について
「リビング・アンバサダー」の第1弾となった国は、アイスランド共和国。
アイスランドは、ヨーロッパの最西に位置する北欧諸国のひとつで、
北海道と四国を合わせたほどの面積をもつ、北大西洋に浮かぶ島国です。
その在日アイスランド大使館にて、
ステファン・ラウルス・ステファンソン大使、
グズルン・ブリンディース・ハルザルドッティル大使夫人と
小山薫堂編集長が対談しました。その様子を全3回でご紹介します!
アイスランドから見た日本、東京の印象は・・・?

東京・品川の閑静な住宅街に建つ、アイスランド大使館。

ステファン・ラウルス・ステファンソン大使とグズルン・ブリンディース・ハルザルドッティル大使夫人。
小山:私は3年前に一度だけアイスランドのレイキャヴィクに行ったことがあるのですが、アイスランドは自然が多く、日本とは全く違う環境の国だと感じました。大使は、日本についてどのような印象をもっていますか?
大使:アイスランドは、国の面積のわりには人口が少ない国です。一方、日本も、国の面積は広くはありませんが、人口は多いですね。2つの国を比較すると、その違いがおもしろいと感じます。地理的なことで言えば、どちらも島国であること、そして地震や火山が多いという点では、似ている国だとも思います。
小山:東京の住み心地はいかがですか?
大使夫人:東京は住みやすくて素晴らしい街ですね。特に安全性が高いように感じます。朝から夜まで安心して過ごせるのは心地よいことですし、大切なことです。ファッションもいいですね。街によってスタイルが違っていて、銀座と原宿ではファッションも雰囲気も異なり、別の映画を見ているようで興味深いです。
アイスランドは地熱発電を取り入れたエコ先進国。

レセプションルームにて対談。

地熱によって加熱された熱湯が、勢いよく噴き上げられた間欠泉。
(画像提供:アイスランド政府観光局)
小山:アイスランドは地熱発電を利用していて、エコが発達している国だと思いましたが、いかがですか?
大使:アイスランドは地熱発電と水力発電だけで電力を供給しており、火力や原子力による発電は一切ありません。そういう意味で、世界の中で最も環境にやさしいクリーンエネルギー推進国だといえるでしょうね。
小山:一般の家でも、地熱エネルギーは取り入れられているのですか?
大使:もちろんです。家庭で使われる暖房、お風呂やキッチンで使う給湯なども地熱エネルギーを利用しています。日本では地熱は使われていますか?
小山:あまり使われていないでしょうね。
大使:私個人の意見ですが、日本にも温泉が多くあるので地熱を利用できるのではないかと思います。今後、日本でも地熱発電を普及させていくことができるかもしれないですね。日本の方と話していると、こういうエネルギーの話がよく話題になるんですよ。
15〜20年ほど前から現代デザインが発展。

レイキャビック中心部の街並み。
(画像提供:アイスランド政府観光局)
小山:アイスランドへ行ったときに感じたのは、カッコいいものがたくさんあるということでした。自然に恵まれた環境の中にあって、デザインもとても洗練されていますよね。現代のデザインはいつ頃から発展したのですか?
大使夫人:15〜20年くらい前からですね。その頃、アイスランドの人たちは、デンマークやスウェーデン、ノルウェー、フィンランドなどの影響を受けて、現代デザインに興味を持ちはじめたのです。特に若い人たちがデザインに興味をもったようでした。
小山:そのきっかけは何だったのですか?
大使夫人:その時代における感性ではないでしょうか。新しい、美しいと感じたのだと思います。
日本のデザインはミニマルでクリーンなイメージ。

ノルディックハウス。
(画像提供:アイスランド政府観光局)
小山:日本のデザインについては、どう思いますか?
大使夫人:ミニマルでクリーンなイメージがありますね。
大使:多くの建築やプロダクトがミニマルで、それが日本の特徴だと思います。
私たちが知っているスカンジナビアのデザインも、日本のデザインと似ているように思います。昨夏、レイキャビクのノルディックハウスで日本文化を紹介するイベントが開催されたのですが、そこで展示されていた日本の建築もアイスランドの建築と似ていると感じました。
小山:日本の家は、そもそも紙と木を使ってつくられていましたが、それを見てどう思いましたか?
大使:紙を使って家をつくるという発想がなかったので驚きました。木はアイスランドでも使いますが、もともと自然の中に木は少ないですし、質も良いとはいえません。ですから、アイスランドでは、木造建築の歴史が長くはないんですよ。
小山:エネルギーに関しても建築に関しても、それぞれの国の地理的条件や自然環境が大きく影響しているんですね。
※第2回は、「大使館のインテリア」です。お楽しみに!